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お知らせ

2017.09.28 速報!TBSラジオで医療ジャーナリストの松井先生から「当院のスーパーグルー治療が紹介されました。」

「下肢静脈瘤」の最新治療は接着剤!?

足の静脈がコブのように盛り上がるのが、

下肢静脈瘤。足の下の方、特に膝から下のふくらはぎの静脈瘤で、血流が悪くなり、静脈が、コブのようにモコモコと浮き出て、外見が気になる病気です。

下肢静脈瘤の潜在患者数は1千万人と言われる下肢静脈瘤の新治療とは!?9月25日(月)の松井宏夫の「日本全国8時です」(TBSラジオ、月曜あさ8時~)で解説しました。

★下肢静脈瘤の仕組み

下肢静脈瘤その仕組みを簡単にお話しすると、静脈は重力に逆らって、つま先から心臓へ、下から上へ向かって血液を流します。何もしなければ、血液は、重力通り、上から下へと流れてしまいます。そこで、逆流を防ぐために、下肢静脈には逆流防止の弁が付いています。ところが、それが壊れ、静脈の流れが悪くなることで、血液の逆流が起きて、静脈に血液がたまって、コブのように盛り上がったり、蛇行する。これが下肢静脈瘤の仕組みです。

★従来治療は・・・抜くか焼くか

この治療となると、弁を治すのではなく、根本的には手術で血管を取り除くことです。血管を取り除いて大丈夫なのか?と思うかもしれませんが、脚の静脈は複数あるので問題はありません。なのでこれまでの治療は「ストリッピング術」という弁が壊れた静脈を抜き取る治療です。そこにレーザー治療や高周波治療(=ラジオ波治療)が出てきました。レーザー治療や高周波治療は血管を焼いて、閉そくさせるというものです。

★焼く一般的な治療でも、鎮痛剤は必要

今、日本では、レーザー治療と高周波治療が一般的治療です。それはストリッピングでは1週間程度の入院が必要なこともあります。また、手術後に強い痛みのあることも分かりました。ただレーザー治療でも、内出血(皮下出血)や痛みがあるので100%鎮痛剤が必要です。レーザーは高熱で、一時的に、血液が沸騰状態になり3秒で血の塊=血栓ができる場合も。ラジオ波は、レーザーよりは出力が弱いですが、熱で血管を焼く仕組みは同じなので、こちらもまた、血栓ができる可能性がありました。また、そうした治療では、術後一か月程度は、医療用弾性ストッキングの着用が必要です。

★新治療はくっつける!

そんな治療に比べ、手術時間や副作用を全く気にすることのない最新治療が登場しました。その治療とは、「スーパーグル―治療」と言います「グル―」というのは、英語で接着剤という意味です。接着剤を、カテーテルで静脈の中に入れて、その血管をふさいでいく治療です。接着剤を注入するときには、グルーガンという器具を使います。グルーガンとは、手元がピストルのような形の器具で、その中に接着剤が入っています。そして、ガンの先=銃口部分には、カテーテルがついています。グルーガンの引き金を引いて瞬間接着剤を注入するのです。とても簡単な仕組みで、どう使うのかというと・・・血管内に瞬間接着剤を入れながらカテーテルを引いて行きます。そして接着剤が入り、カテーテルを引いた部分から順に、皮膚の上から、圧迫して血管内を、くっつけていきます血管を閉じることで血液の逆流を防ぐというものです。

★麻酔いらずで絆創膏を貼るだけ

接着剤は、医療用のモノです。日本では1963年に出血を止めるためのものとして保険承認されています。脳血管の手術や、胃の静脈瘤など、幅広い分野に使われています。そして、治療の後、残る傷口は針を入れる穴のみです。だから手術後は、接着剤を注入した傷口に、絆創膏を貼るだけです。さらに、鎮痛剤を使ったり、麻酔をかける必要がありません。スーパーグル―治療は、レーザーのように熱が出る治療ではないため痛みがほぼありません。治療時間も最短で7分程度で終わります。実際、患者さんは手術後に駅まで歩いて、そして電車に乗って自宅に帰ることができます。

★保険適用はこれから

ただ日本では、まだ医療承認は受けていない治療です。もともとスーパーグル―治療は、欧米で開発されたもので、世界的には主流です。ヨーロッパでは6年前から、アメリカでは3年前から、医療承認済みです。しかし、日本の医療機器の承認は、世界に比べ、遅れをとっているのが現状です。今日本での治療は保険適用外で、数十万円ほどかかります。それでも導入以来、下肢静脈瘤の患者さんに治療法として選ばれています。というのも、現状日本で、治療を受ける患者さんの多くは、アジア諸国、主に中国から、わざわざ治療に来るそうです。これまでの治療の場合、術後、血栓が出来てしまう可能性があるので手術をした日に飛行機に、乗ることはすすめられません。しかしスーパーグル―治療は、手術を受けた日に、飛行機に搭乗ができます。そのため、海外からの患者さんにも選ばれている、ということです。なにより、日本での保険適用が待たれるところです。

★導入している病院も

ちなみに日本では、東京血管外科クリニックや江戸川病院などで、この治療が受けられます。去年6月から今年3月に、30人を対象に日本での試験的な治療を行ったところです。日本循環器学会では、安全性は担保されたことを発表し、モコモコの瘤は消えたということです。

 

日本全国8時です(松井宏夫)

解説:医学ジャーナリスト松井宏夫

 

松井宏夫の日本全国8時です(リンクは1週間のみ有効)http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20170925080000

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