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2017.11.28 クロワッサンの取材を受けました。②Vol.29 むくみを放っておいたら、足が黒ずんできました。【40歳からのからだ塾WEB版】https://croissant-online.jp/health/59445/

 

前回は、むくみの原因の見分け方、セルフケアなどをご紹介しました。
今回は、40代以上の女性に多くみられる「下肢静脈瘤」の症状や診断、治療法について詳しく紹介します。
むくみだけではない、下肢静脈瘤によって起こる意外な症状とは? 心臓血管外科医の榊原直樹さんに聞きました。

治りにくい皮膚病、原因は下肢静脈瘤だった!?

下肢静脈瘤は、足の静脈にある逆流防止弁が壊れてしまう病気。古い血液が逆流して血管にたまり、静脈の血管が浮き出るようになったり、血管から血管の外に液体成分が染み出してくるため、むくみの原因になったりします。進行すると、足に瘤(ボコボコとした血管)が現れたり、足が疲れる、つりやすくなるなどの症状が出てきます。また、下肢静脈瘤は女性に多く、年齢とともに増えていくと言われています。「長時間の立ち仕事をする人、妊娠中の女性、出産経験が多い女性などは、足の静脈弁に圧がかかり、弁が壊れることで静脈瘤ができやすくなります。壊れた弁は自然に治ることはありません」と榊原さん。

実は、静脈瘤は徐々に進行する病気で、長く放置すると、かゆみ、湿疹、変色などといった皮膚病変が起こることがあるそうです。
その理由は、下肢静脈瘤の原因をたどるとわかりやすいでしょう。

下肢静脈瘤が生じるプロセス

何らかの理由で足の静脈弁が故障し血液の逆流が起こる→下肢部の血流が逆流し、うっ血が起こる→足の血液循環が悪くなることで、さらに静脈に血液がたまり、血管が広がって瘤(コブ)ができる。

資料提供:東京血管外科クリニック

皮膚病変が出るまで

下肢静脈瘤になると、足の静脈の逆流弁が壊れてしまい、下肢部の血流が滞ってしまいます。すると、皮膚の血のめぐりが悪くなり、酸素や栄養がいき渡らなくなることから、皮膚の細胞が障害されていきます。結果、茶色いシミができたり皮膚がかたくなり、重症になると皮膚に穴があく潰瘍になります。

静脈瘤でできた皮膚病変は、原因が血流にあるため、塗り薬を塗ってもなかなか治りません。中には、静脈瘤があまり目立たず、皮膚病から下肢静脈瘤が発覚するケースもあるそうです。
足にむくみがあり、皮膚科で長い間治療をうけても皮膚病がなかなか治らないという方は、一度、下肢静脈瘤の専門医に相談してみましょう。

下肢静脈瘤の進行度を知るには?

CEAP(シープ)分類というものがあり、下肢静脈瘤の進行度・重症度を知る目安になります。

足の静脈性疾患のCEAP分類

足の静脈性疾患のCEAP分類表
皮膚病変があると、瘤(コブ)ができた状態よりも重症度が高い。

資料提供:東京血管外科クリニック

下肢静脈瘤の治療法は? すぐに治療が必要?

受診の目安としては、下記のような症状があったら、一度医療機関を受診しましょう。

  • 朝起きたときにむくみが戻らない
  • 血管が大きくふくらんでいる
  • ひざ下がむくむ
  • 赤く腫れて痛みがある

肢静脈瘤は、うっ滞性皮膚炎や潰瘍になってくると重症。静脈瘤に対して治療が必要となります。

下肢静脈瘤の治療には、

  • 保存的療法:生活習慣の改善や弾性ストッキングなどで症状を改善
  •  硬化療法:静脈瘤を注射薬で炎症を起こしてつまらせる治療法
  • 手術療法:
    • ① 切開手術:皮膚を切開して静脈瘤を抜き取るストリッピング手術
    • ② 血管内焼灼術:レーザーや高周波により熱で静脈を血管の内側から焼きつぶす手術
    • ③ スーパーグルー手術:熱を使わずにグルー(医療用接着剤)を血管内に注入し、血管を瞬時にふさぐ治療法

などがありますが、根本治療はやはり手術療法となります。
「静脈瘤をきちんと治療すれば、毛細血管にきちんと血液が行き渡るようになるので、皮膚の再生能力が上がり皮膚の状態は非常によくなります。足のむくみやだるさなどの不快な症状も改善されます」(榊原さん)。どの治療を選ぶかは、主治医とよく相談しましょう。

ちなみに、スーパーグルーは、血栓のリスクが限りなく低い、術後のからだの負担が最小限で翌日から飛行機に乗れる、手術時間が最も短い、麻酔がほとんどいらない、傷跡が残らないなどのメリットがある最新の治療法。反面、導入している医療機関が少なく自由診療。他の治療と比べると、現時点では費用面で高額になります。

Vol.29 むくみを放っておいたら、足が黒ずんできました。【40歳からのからだ塾WEB版】

下肢静脈瘤があってもなくても行ってほしいむくみケア

「下肢静脈瘤は、手術をして終わりではありません」と榊原さん。足の血管の弁に圧がかかるような生活をしていれば、再発してしまうこともよくあるのだとか。病気の有無や治療前・治療後に関わらず、足をむくませないこと、むくんだら早めにケアをすることが大切だそうです。

下肢静脈瘤の予防にも効果的なむくみケア

  • ・水分をとりすぎない
  • ・足をこまめに動かす
  • ・足をイスの上に乗せたり、寝転んで足を高く上げたりして、心臓への血流を改善させる
  • ・弾性ストッキングを着用する
  • ・肥満にならない

立ち仕事の多い人は、弾性ストッキングの着用が有効だそう。
むくみは、単なる不調や血行不良と片付けられてしまいがちですが、放っておくと下肢静脈瘤を引き起こす場合も。普段から予防を心がけ、病気の兆候があれば早めに医療機関を受診しましょう。